事務局からのお知らせ

特別寄稿 東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野 教授 呉繁夫 先生

今年3月11日で東日本大震災発生から10年になります。宮城県では、現在でも多くの県外から小児科診療を支援して頂いています。そのご支援により、石巻市夜間急患センターにおける小児一次救急を継続して実施することが出来ています。震災10年経った現在も暖かい診療支援が続いていることは感謝に堪えません。また、この支援事業を支えて頂いている東日本大震災小児医療復興新生事務局や宮城県庁医療整備課の方々に心より御礼申し上げます。

石巻市は、人口14万人の宮城県第2の都市です。2020年初めから顕在化した新型コロナウイルス感染症で、宮城県内の小児救急外来の様子も変わり、軽症患者が減り受診されるお子さんの数は減少した半面、重症度が上がりました。急患センターに隣接する石巻赤十字病院には常勤小児科医が5名勤務しており、重症患者のバックアップ体制が整っています。石巻市夜間急患センターの小児科一次救急を「ほそくながく」ご支援頂ければ幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

令和3年2月8日

東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野

呉 繁夫

東日本大震災後10年 市民公開フォーラムのご紹介

日本小児医療保健協議会(四者協)が主催され
小児周産期災害対策委員会が企画した
「東日本大震災後10年 市民公開フォーラム」がWeb開催されるとのことです!

詳しくは下記のリンクをご参照ください

https://chcj2021.wixsite.com/event-20210313

 

特別寄稿 東日本大震災小児医療復興新生事務局 宮城県担当 今野直人

東日本大震災から間もなく10年を迎えようとしております。津波により沿岸の医療機関は甚大な被害を受けましたが,その後,仮設で運営していた医療施設の再建が完了するなど,石巻市ひいては宮城県の復旧・復興は着実に進んでまいりました。

私自身,震災時は学生の身で,将来,宮城県の復旧・復興のために何かできることはないかと思っておりましたが,図らずも本取組の県事務局を担当することができ,全国から御支援いただく先生方とのやり取りを通じて,被災地の小児医療提供体制の継続・発展の一端を担っていることは,とても良い経験をさせていただいていると考えております。

また,今年度の取組に当たっては,新型コロナウイルスの感染拡大の影響により,一時期はせっかくの御支援のお申し出をお断りしなければならない事態もございましたが,募集した日程においては,ほぼ全ての日程で御支援の応募をいただくなど,小児医療に携わる皆さまの「力強さ・頼もしさ」を実感できた年でもございました。

全国の小児科医の先生方には,これまでの御支援について改めて心より感謝申し上げるとともに,来年度以降も変わらぬ御支援を賜りますよう,引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

宮城県保健福祉部医療政策課 地域医療第二班

主事 今野 直人

特別寄稿 公益社団法人 日本小児科学会会長 岡明 先生

東日本大震災の復興の支援として始まったこの事業は、関係者の皆様のご協力と大変なご尽力によって、こうして10年を迎えることになりました。震災により甚大な影響を受けられた地域の小児医療保健活動への支援として始まり、その後、地域にお応えする形で全国から小児科医師が交代で応援に継続的に行くという息の長い事業となりました。この間に、医療の側から地域のこどもたちの育ちに寄与できたのであれば、小児科医として幸せなことであると思います。地域の行政と医療現場、学会、そして個々の小児科医の思いがつながるということは、素晴らしいことと思います。さて、この10年間は、岩手県、宮城県、福島県の皆様にとっては大変なご努力による復興の時期であったかと思いますが、日本の医療の状況としては、残念ながら少子化が進行し、地域間の小児医療資源の格差も改善していないと認識しています。次世代を担うこどもたちが健康に育つ環境作りは、日本の未来であり、小児科医としての役割であると思います。こうした視点でも、本事業で培われた協働の形が、わが国の将来を照らす重要な意味を持つのではないかと考えます。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

令和3年2月1日
公益社団法人 日本小児科学会 会長
埼玉県立小児医療センター 病院長
岡 明

特別寄稿 東日本大震災小児医療復興新生事務局 福島県担当 伊藤諒介

未曾有の被害をもたらした東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故から間もなく10年を迎えようとしております。福島県では、全町避難を続けていた双葉町の避難指示区域の一部解除や東日本大震災・原子力伝承館の開館など復興が着実に進展している一方、未だ3万6千人を超える方々が避難生活を余儀なくされており、復興までの道のりは長く険しいものとなっています。

現在秋田県からの復興応援職員として福島県に出向している身ではありますが、震災当時岩手県で大学生であった私は、この震災のもたらした被害の甚大さ等を肌で感じているだけに、現在こうして本事務局の福島県の担当として復興業務に従事することができ,とてもやりがいを感じております。

今年度においては、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、御支援のお申し出をいただきました先生方の受け入れをお断りしなければならない時もあり、大変申し訳ない気持ちも感じているところです。しかしながら、福島県の小児科医不足は喫緊の課題であり、引き続き御支援が必要な状況にあります。

全国の小児科医の先生方におかれましては,引き続き変わらぬ御支援を賜りますよう,どうぞよろしくお願いいたします。

福島県保健福祉部医療人材対策室

主事 伊藤 諒介