事務局からのお知らせ
特別寄稿「ほそくながく」日本小児救急医学会 副理事長 米倉竹夫 先生
2021年1月11日
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、地震・津波・放射線災害という未曽有のtriple disasterで、岩手・宮城・福島3県を中心に甚大な被害をもたらしました。日本小児救急医学会では3月18日から54日間にわたり陸前高田市に小児救急の医師派遣を行い、私もこれに参加しました。目の当たりにした陸前高田市の被災状況や岩手県立高田病院の石木院長やスタッフの皆さんと一緒に過ごした時間を、今でも忘れることができません。
東日本大震災の教訓をもとに、日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児保健協会、日本小児期外科系関連学会協議会からなる日本小児医療保健協議会では、領域横断的な小児周産期災害医療支援活動を目的に、2015年4月に小児周産期災害医療対策委員会を立ち上げました。その後、災害時小児周産期リエゾンが設立され、熊本地震以降の小児周産期領域の災害医療支援活動に繋がっています。
災害マネジメントサイクルの災害発生後のフェーズには発災直後から復興が含まれます。東日本大震災小児医療復興新生事務局による小児医療支援(医師派遣)事業は、被災地の小児医療の復興支援として、被災地域の未来を担う子どもたちのために貢献していくものと考えます。これからも「ほそくながく」の趣旨にご賛同の先生方のご支援を心よりお願いします。
一般社団法人 日本小児救急医学会 副理事長
日本小児医療保健協議会 小児・周産期災害医療対策委員会 委員長
近畿大学奈良病院 小児外科 教授
米倉竹夫