事務局からのお知らせ
特別寄稿 宮城県小児科医会 理事 阿部 淳一郎 先生よりコメント
2016年3月11日
震災から5年がたった石巻市は人口減少が顕著です。震災での死亡者数は約3,500人 行方不明は約400人です。石巻市の人口は震災前の約16万人から約1万4千人減少し、昨年の国勢調査では147,236人となりました。石巻医療圏は約20万人であり、三陸自動車道の整備により近隣医療圏から流入が増加しています。特に小児医療は近隣医療圏では整備が遅れており、石巻夜間急患センターでの診療は重要性が高まっています。現状では石巻市の小児科医は開業医が半減しましたが、新規開業はありません。医師不足が顕著ですが、ご支援のお陰で地域住民への医療サービス提供は継続できております。子育て世代が田舎で暮らすための大きな安心は小児医療です。これができていることは、私たちの誇りです。
今年の12月から新しい石巻市夜間急患センターでの診療が始まります。これまで行って来た在宅での当番医の診療は医師不足、看護師不足があり不安定になり、難しくなりました。。私と石巻市担当者、東北大学小児科呉教授で意見交換を行った際に、どうすれば可能になるかを考えました。石巻赤十字病院敷地内へ移転ができれば、石巻赤十字病院小児科との柔軟な医師の交流で、開業医が高齢化して引退、病気の場合にも切れ目なく、診療の継続が可能になるのではないかと私は夢を見ました。地域の開業医と東北大学小児科の効率的な拠点病院への医師配置により、可能になりそうです。今後ともご支援の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。
阿部こどもクリニック 阿部淳一郎(写真は事務局で挿入、向かって右 阿部先生、左 呉 先生)